ご縁結びの事例 | MUSUBI #01
自分だけの空間に、絵があるということ
仕事を立ち上げたばかりの頃、「自分の五感を大切にすること」「自分を整えること」に心を砕いていた。そんな折に出会った一枚の絵は、大きな懐で、繊細な私を肯定するようだった。
私だけの絵がある空間に一歩足を踏み入れると、在りたい自分にすっと整う。
今回は、自身の感性を大切にしながら、全身全霊で仕事に向かうなかで「絵がここにある」ということが、彼女の心模様にどのような色を灯すのか、お話を伺いました。

― Q. 絵との出会いについて教えてください。
個展で絵を見て「これはわたしのための絵だ」と感じました。
仕事を立ち上げて間もない頃、小さな仕事部屋で、パソコンひとつで海外のお客さまともつながる日々を送っていました。人生の話や夢を伺う仕事だからこそ、相手の声を“ニュートラルな自分”で受けとめられるようでありたい、そう思っていた時期でした。
そんなときに個展で出会ったのが、「無自覚な意識」というタイトルの絵です。
白い余白の中に、淡いピンクと青の線が二層に重なっていて――見た瞬間、心の奥がすーっと静まるようでした。タイトルやそこに込められたメッセージも含めて、とても心が惹かれました。
― Q. そのとき、どんな心境だったのでしょうか。
ちょうど、自分の「繊細さ」について見つめ直していた頃でした。
スピード感を持ってビジネスを成長させていく中で、時に繊細さが邪魔になることがあります。だから一時期は、自分の心も耳も目も半分ほど閉じて、数字や成果に集中しようとしていたんです。
でも、本当にそれでいいのだろうか?
心は「自分は繊細のままでよい」ということも知っていました。繊細であるからこそ、お客様の心の機微を感じ取り、寄り添える。そういう感覚を大切にしたいと、思い直していたタイミングでもありました。そんなときに出会ったこの絵は、“在りたい自分”を思い出させてくれるような存在でした。
抽象画だからこそ、見る人の心によっていくらでも姿を変える。
その懐の深さに、一時的にではなくこれからもずっと自身の近くにあっても飽きることなく、共に居る存在だと感じました。
― Q. 絵を迎えるとき、迷いはありましたか?
もちろんありました。
大きな絵を購入するのは初めてでしたし、美術品は金額的にも簡単に決断できるものではありませんでした。けれど、もしこの絵が誰かのもとへ行ってしまい、もう二度と会えなかったら――個展をともにした友人に問われた瞬間に、「それは嫌だ」と心の底から感じました。
その気持ちが、決め手になりました。
― Q. 絵と過ごす日々のなかで、どんな変化がありましたか?
自分自身の変化を捉えてみると、あまりブレなくなりました。
いい意味でバリアや強さがでたのかなと思います。
無自覚な意識は、私の仕事部屋でずっと寄り添ってくれています。「毎日10分見る」など決めた行為があるわけではないけれど、常に視界のどこかにあって、動かずそこに“在る”ことが大切なのだと実感しています。 仕事中はアドレナリンが出て、意識的にも無意識的にも、受容体のように多くの感情を受け取ります。
そんなとき、絵が常に視界にあり、動かずそこにある、というだけで自分のマインドの整え方がとても違うように感じています。リビングにいたときにはざわざわしていた心も、仕事部屋に一歩入ってしまえば、空気が変わり、自然と心の位置がすっと定まります。
仕事部屋は、喜びもあれば葛藤もある場所。オンラインで仕事をしていると、時に孤独を感じることもあります。でも、この絵は、ビデオ会議を終えて「うまくいかなかったかも」と思うようなどんな瞬間も、ずっと、わたしのすべてを静かに見守ってくれているようで、わたしにとっては、戦友のような存在です。
― Q. 「絵があること」の体感をお聞きしたいです。
「自分の場所に、ずっと在る」ということが、わたしを“在りたい自分”に整えてくれる、要のような役割です。
変わりゆく状況のなか、この絵がある空間に入れば、自分の原点に還れる気がします。いつか素敵なオフィスを持つときが来たら、自身の社長室に飾ります。
誰のためでもない空間に、自分のための絵がある――
それは、私にとって「在りたい自分」を思い出させてくれるために、大切なことです。絵は、どんなフェーズでも、自分ひとりの心の領域にそっと寄り添ってくれ、自分の芯を強くしてくれるような気がしています。

無自覚な意識
Unconscious Awareness
Acrylic on canvas727×500(M20)
– 絵の個性について
いつでも心に寄り添ってくれる光のような役割がある絵です。
心が弾むときには、明るさとともに寄り添い、静かでいたいときや悲しい気持ちのときは、無理に明るくさせようとするような照らし方ではなく、そっと寄り添う光になります。暗闇になってしまうのではなく、明かりを感じさせてくれることで、安心感を与えてくれます。
どんなときにも、寄り添ってくれる光として存在しています。
(解説:キタムラ)

