ご縁結びの事例 | MUSUBI #04
絵の声を、暮らしに織り込む
生活が変わる節目の記念に、一枚の絵を迎えることに。
どの子を迎えようか、という決断をするなかで大切にしたのは、絵の意思。
それは「この絵を迎えよう」と選んだ時も、暮らしをともにする今も、変わらないこと。
絵と対話することを通じて、彼女の暮らしのなかで起きていることについて伺いました。

― Q. 絵を迎えたいと思ったきっかけは?
生活が新しくなる記念に、新居に迎える絵を探そうと思ったことがきっかけです。
ちょうど入籍と引越しを控えていた時期で、苗字も土地も生活も新しく変わる節目。その記念として、自分と家族のこれからを見守ってくれるような一枚を探したいと思いました。
― Q. 絵を迎えるにあたり、大切にしたことは?
新しい家族を迎えるつもりで、絵を迎えました。
今の夫婦間、生活、家(土地)との相性や、今後の夫婦など未来をイメージした上で、合うと感じる絵(エネルギー体)を選びました。
絵が家族になりたがっているかも気にかけていました。 絵を選んでいるつもりでも、実は絵に選ばれている側だったりと思ったりも。
そのため、絵との対話を何度も重ねた感覚です。
― Q. 「絵との対話」とは、どんなふうに絵とお話していますか。
絵と初めて会う時は、「はじめまして」の気持ちをもって接します。
どんな絵かな?どんな性格(エネルギー)かな?という気持ちで、視覚だけではなく、聴覚、嗅覚、触覚、味覚も使って立体的に捉えるようにしています。
例えば、この絵からどんな音楽が聞こえてくるだろう?温度は?質感は?どんな香りがする?食べたらどんな味?など。イメージを膨らませて絵の前に立つと、自分の感覚に反応があり、さらにその感覚を深めていったり、拡げていく感じです。「なんとなく好き」と気になった段階から、対話を重ねていくと第一印象とは変わっていきます。懐かしさを感じたり、胸がぎゅっと締め付けられたり、温かい気持ちになることも。自分の課題が見えたりと、感覚を通して様々なメッセージやイメージを受け取っています。絵をエネルギー体として捉えて、ことばを使わずにテレパシーで交信しているような感覚です。絵からの声は、外からではなく身体の中にやまびこが響く感じ、時には身体の底からゆっくり浮上してくる感じがあります。
絵からのイメージや声を受け取る事は特別なことではなく、自分と絵との交流のひとつだと捉えています。エネルギーを感じとろうと気負わなくても、「なんかこの場所って気持ちがいい」や「この植物って元気があって明るいな」「この曲って初めて聞くけど懐かしい」など、誰しもがなんとなく受け取っている感覚に近いものを、絵に向けているように思います。
― Q. 数ある作品の中から、この一枚を選んだ理由は?
多くの作品の中からじっくり選びたかったので、個展初日の会館時間に合わせて訪れ、何枚もの絵と対話しました。じっくり時間をかけて向き合い、最後は二枚まで絞り込んだのですが、そこからがなかなか決めきれませんでした。最終的に決め手になったのは、「以前、描いてもらった絵が会いたがっているのはどちらだろう?」という、すでに迎えていた絵の視点です。新たにお迎えしたこちらの絵からは、祝福のようなエネルギーを感じました。新しい生活のはじまりと家族に寄り添ってくれるような感覚です。
例え話になりますが、 ご利益とか良い気をもらうために神社やパワースポットを訪れたり、お守りを持ったり。気分をあげる為に好きな音楽をかけたり、好きな物を口にしたり。癒されたい時に、のんびり湯船につかったり、お花を飾ったり。そんなふうに、日常の中で、自然、物、事のエネルギーを取り入れて自分の感覚や気分を調整しているのだと思います。絵をお迎えする行為も、その感覚に近い気がします。
― Q. 絵を迎えて、変化はありましたか?
「絵を描くのは苦手」な夫も、リビングに絵を飾っていることによって、絵に興味をもってくれました。絵の見方が変わり、上手い下手で評価される物ではなく、絵を描くこと、作品作りとは自己表現である、というように解釈に変化があったようです。
どこに飾れば絵が活かされるかなーと相談しながら、二人で絵を飾るようになりました。
― Q. 絵とともに、どんなふうに過ごしていますか
「もし自分が絵だったら、どう思うかな」とイメージしながら関わっています。
ある時は、頑張りすぎていたり、力が入りすぎていたり、そんな時には幾度も私の心に寄り添い、「あなたのままで大丈夫」と励ましてくれます。優しくて無邪気な子です。視野が狭くなっている時にふと絵と対話する時間をとっています。
またある時は、「賑やかな場所がいいな」とか「たまには違う場所に移動したい」とか「久しぶりに産みの母(ゆりちゃん)に会いたい」とか「外の景色を見たい」と話しかけてくるようです。
実際、その声をきっかけに前回の那須個展に一緒に会場まで連れていきました。絵同士の交流を通して、各々の場所にいても繋がっている事を再確認しているようでした。帰宅してから絵のエネルギーにたくましさが増している気がします。
エネルギーの交換・循環を私自身も体感し、味わう過程が、気持ち良すぎる位豊かな時間でした。
― Q. 「絵を連れて、個展に行く」絵との旅で、エピソードはありますか?
個展に訪れた時に、12個のキャンバスからなる、大きな一枚の絵が描かれた作品に出会いました。
その作品※は、例えるなら
ひとつひとつが惑星であり、ひとつの宇宙でもある。
12のパートで構成された曲である。
全てで作品でもあり、個でも作品である。
「全体でひとつの作品ではあるけれど、それを構成する一枚一枚が作品として成立するように描きました」と作家に伺いました。
もしこの12枚のうち一枚ずつを、それぞれご縁のある方が迎え、何年後かに同窓会のように集まって大きい作品として愛でる事ができたら、「なんて豊かなことだろう」と想像が膨らみました。
——最後に、私と絵との出会い、関わり方についてことばにして綴ってきましたが、これは絵からのメッセージを、私が代筆しているのかもしれません。
絵の願いが伝えられて、絵が私を見て「お役目、ありがとう」って言っている気がします。

結縁 | Guidance of the SwanAcrylic on canvas(410×318)
– Keyword
新たな出会い、出会うときの温かさ、何かが芽生えるような
– 絵の個性について
真に出会いたかったものに、新たにご縁を呼ぶ絵です。
新しいご縁が生まれると、すでに出会っていたものたちとも新たに出会い直すような感覚を得られます。
新しく出会うもの、触れるもののすべてが、新鮮に映り、心をあたためてくれます。いままで見てきた同じものに触れても、初めてのように捉えられます。
その瞬間はその瞬間にしかなく、対峙するすべてから、新しい感覚をもたらしてくれます。
(解説:キタムラ)
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